国交省通知、パブコメで早期実施求める声
国土交通省は9月19日、トラックやバス、タクシーの運送事業者に対する行政処分基準の改正を10月1日に施行すると発表した。全日本トラック協会など関係者に同日、通知した。
飲酒運転をしたドライバーが所属する運送事業者への処分を厳罰化することが柱。
国交省は当初、2025年1月の施行を念頭に置いていたが、パブリックコメント(一般からの意見募集)の結果、早期実施を求める声が寄せられたことに対応、前倒しした。
現在は飲酒運転を起こしたトラックやバス、タクシーの各運送事業者に対し、初違反の場合は100日間分、再違反の場合は200日間分、車両使用停止を科している。
基準改正の施行後は、飲酒運転が判明した際、事業者がドライバーへの飲酒運転禁止の指導を徹底していなかったり、酒気帯びかどうかを運転前に確認する点呼を実施していなかったりした場合、それぞれ「指導監督義務違反」「点呼の実施違反」として、停止期間に初違反100日間・再違反200日間分を加算する。
また、トラック運送事業者に関しては、ドライバーの勤務時間などを定めた改善基準告示を順守しなかった場合、順守していない事例が6件以上15件以上の場合、これまでは初違反で10日間分、再違反で20日間分、16件以上は初違反で20日間分、再違反で40日間分としてきた。
今後は6件以上の場合に統一し、初違反は1件当たり2日間分、再違反は4日間分と設定、厳罰化する。5件以下は従来通り。
点呼の未実施についても、未実施が20件以上49件以下は初違反10日間分・再違反20日間分、50件以上は初違反20日間分・再違反40日間分と定めているものを、10月1日以降は未実施20件以上で初違反1件当たり1日間分・再違反2日間分に処分量定を引き上げる。こちらも19件以下は従来通り。
(藤原秀行)