トラックや宅配便のドライバー、3割が4月以降「人手不足するようになった」

トラックや宅配便のドライバー、3割が4月以降「人手不足するようになった」

ホンダグループ調査、月給は変化なし6割に

ホンダ傘下でモビリティ事業の企画立案などを手掛けるホンダモビリティソリューションズ(HMS)は9月26日、「2024年問題」などの課題に直面しているトラックやバス・タクシー、宅配の各ドライバーに焦点を当てた調査結果を公表した。

HMSのニュースレター「モビリティジャーナル」編集部が全国のトラックや宅配、バス・タクシーのドライバー709人を対象に実施した。各ドライバーの回答人数の内訳は公表していない。

働き方改革関連法改正が施行された2024年4月以降、月給に変化があったかどうかを聞いたところ、トラックは「あまり変化はない」が66.6%、宅配便は64.8%に上った。「増えた」はそれぞれ18.1%と12.0%、「減った」は15.3%と23.1%だった。バス・タクシーもおおむね同様の傾向だった。

一方、4月以降にドライバーの仕事をする中で変化を感じることがあるかを尋ねた結果(複数回答可)、全体では「ドライバーの人手が不足するようになった」が36.4%でトップとなり、「仕事時間を細かく管理されるようになった」(27.4%)や「仕事に余裕がなくなった」(19.5%)なども上位を占めた。

同設問の上位回答5つに関し、ドライバー3種別ごとに内訳を見ると、宅配便は「仕事に余裕がなくなった」の割合が31.5%で、トラックやバス・タクシーよりも目立って多かった。2024年問題などの影響で人手不足がより顕在化している一方、待遇改善が迅速には進んでいないことをうかがわせた。

HMSは「EC市場の拡大などにより、宅配ニーズが高まる中で、人手不足への対策や効率化が急務の領域だと推察される」とコメントしている。

「ドライバーの人手が不足するようになった」はトラックと宅配便が3割、バス・タクシーが5割にそれぞれ到達した。トラックと宅配便は「仕事時間を細かく管理されるようになった」も3割近くに上った。

ドライバーの仕事をするに当たり、改善を期待することを尋ねたところ、「労働時間に見合った給料にしてほしい」がいずれの種別でも最多を記録。トラックは38.6%、宅配便は40.4%に達した。

HMSは「実労働と報酬との不一致を感じているドライバーが多数いることが見て取れる」と分析した。

【定量アンケート調査概要】
調査名称:ドライバーの仕事についてのアンケート
調査期間:2024年8月9~17日
調査対象:全国、ドライバーの仕事をしている20歳~69歳の男女
調査数 :709名
調査方法:Webアンケート

(藤原秀行)※いずれもHMS提供

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