政府の白書で調査結果公表、依然問題残る
政府は10月11日の閣議で、2024年版の「過労死等防止対策白書」を決定した。
全国の就業者を対象に1週間当たりの実労働時間を聞いたところ、60時間を超えていると答えた割合が、業種別で「運輸業・郵便業」が12.7%に上り、16業種中最多だった。全体平均の5.5%を大きく上回った。
調査は自営業者や会社役員を含む全国8764人を対象に行い、おおむね2023年12月時点の状況を尋ねた。
続いて多かった「宿泊業・飲食サービス業」(9.3%)や「建設業」(8.7%)を3ポイント以上引き離している。
週当たり60時間働くと、1カ月の時間外労働は過労死のリスクが高まる80時間に相当する。
実労働時間の実態調査は2022年版の白書からスタートしており、24年版まで3年連続で実施している。「運輸業・郵便業」で60時間超となっている割合は22年(14.8%)、23年(13.3%)と減少傾向にあるものの、23年から2年続けて全業種中で最多を記録した。
「2024年問題」を考慮し、物流業界で長時間労働対策が進められているが、依然長時間労働の問題が残っていることをうかがわせた。
調査結果(白書より引用)
(藤原秀行)