空間の有効利用可能、基礎工事のコスト抑制も期待
建物の設計・施工を手がけるHC.Home’s(HCホームズ、名古屋市)は10月22日、新規事業として木造倉庫の設計・施工を本格的に始動させたと発表した。
最新技術を用いることで、技術的に難しいとされていた、柱と柱の間に支柱や支壁を立てずに大きな空間を確保する「大スパン構造」を実現。主流の鉄骨造倉庫とは異なる木造倉庫の新たな可能性を開拓したい考えだ。
(HC.Home’s提供)
大スパン構造は6~30mの空間を確保できるようになり、支柱や支壁が少ないことで倉庫内のスペースが増え、空間の有効利用が可能になると見込む。
木材は軽いため地震や台風の揺れを逃しやすく、火を表面まででとどめることができるため、火災にも強いとみている。
さらに、建築資材の価格上昇が続く中、鉄骨造倉庫と比べ木造倉庫の方が坪単価を抑えられる可能性が高いと言われているのを重視。基礎工事のコストを大幅に抑えられる上、日本の森林資源の活用により、環境への負担軽減も期待できると強調している。
同社は現在、倉庫の年間着工件数における木造の割合が約15%。今後10年間でこの割合を数ポイント高めていくことを目指す。木材の新しい可能性を追求しながら、カナダのWood First政策に倣った事業を展開し、これまでになかった建築文化の形成を目指すとアピールしている。
(藤原秀行)