26年度の運用開始目指す、海運の温室効果ガス削減促進
出光興産と三菱ガス化学は10月23日、CO2と再生可能エネルギー由来の水素を合成したe-メタノールやバイオ由来のバイオメタノール(環境循環型メタノール)の国内における供給体制の構築に向け、協業を開始すると発表した。
船舶燃料向けをターゲットに据え、2025年度中に供給体制を構築し、26年度に運用を開始したい考え。早期の需要創出と市場拡大を目指す。
e-メタノールやバイオメタノールはCO2排出量を削減するための有効なエネルギー源の一つとして国内外で注目度が高まっている。合成ガソリンや合成ディーゼル、持続可能な航空燃料(SAF)などの合成燃料の原料や発電用燃料としての用途に加え、船舶燃料としても活用できる。
国際海事機関(IMO)が温室効果ガス削減目標を定めたことなどをきっかけに、海運分野で国内外を問わず排出削減の機運が高まっており、e-メタノールおよびバイオメタノールが低炭素排出特性や他の代替燃料と比較して貯蔵や取り扱いが容易なことから、重油に代わる船舶燃料としての利用が今後拡大していくことが見込まれているのに対応。船舶燃料分野でe-メタノールとバイオメタノールの需要増を見越して、供給体制の早期構築、需要創出・市場拡大を目指す。
具体的には、供給コスト低減のため、両社が保有するメタノールの貯蔵用タンクやバンカリング(船舶への補油)船などの設備を共同で運用し、効率的に活用することを検討する。
併せて、 船舶燃料としてメタノールを供給する港湾拠点で、許認可手続きやガイドライン整備の支援、制度構築への働き掛けなども共同で進める。加えて、e-メタノールとバイオメタノールを共同で調達する可能性も協議する。
(藤原秀行)※プレスリリースより引用