27年5月竣工予定、横浜・川崎港の脱炭素化を後押し
川崎汽船は11月8日、連結子会社でコンテナターミナルの運営などを手掛けるダイトーコーポレーションが、大容量リチウムイオンバッテリーを動力源とする電動(EV)タグボートを建造すると発表した。
併せて、同日付で川崎重工業、ダイゾーの両社とEVタグ建造に関する連携協定を結んだ。
制御・推進装置の支給とシステムインテグレートを担う川崎重工の協力の下、ダイゾーの造船所で建造、2027年5月竣工を予定している。横浜港、川崎港に寄港する船舶の入出港作業に従事し、両港のカーボンニュートラルポート(CNP)形成を後押しする。
電動タグのイメージ
調印式に臨んだ(左から)ダイゾー・南宣之社長、ダイトーコーポレーション・浅野敦男社長、川崎重工業・今村圭吾常務執行役員(いずれも川崎汽船提供)
EVタグは3.2MWhの大容量バッテリーを搭載し、バッテリーに充電した再生可能エネルギー由来のグリーン電力を生かして運航する。
バッテリー駆動とすることで従来型の重油焚主機を搭載したタグボートと比較して、燃料消費量やCO2排出量を大幅に削減できると想定。新たに開発した船型や、最新のIoTを活用した船内電力需要の自動制御により、エネルギー消費を最適化することで、省エネルギーかつ高効率な本船運用が可能とみている。
従来型タグボート比で約60%のCO2排出量削減を実現可能と見込む。
経済産業省と国土交通省連携の補助事業「運輸部門エネルギー使用合理化・非化石エネルギー 転換推進事業費補助金(内航船革新的運航効率化・非化石エネルギー転換推進事業)」に採択されている。
(藤原秀行)