JR北海道の脱線事故区間で4日ぶり運転再開、レール腐食が原因の1つか

JR北海道の脱線事故区間で4日ぶり運転再開、レール腐食が原因の1つか

現時点での調査結果公表

JR貨物の列車が脱線したため11月16日から運転を見合わせてきたJR函館線の森~長万部駅間について、JR北海道は11月19日の始発から運転を4日ぶりに再開した。

事故は11月16日午前1時40分ごろに発生。J森~石倉駅間で名古屋貨物ターミナル駅から札幌貨物ターミナル駅に向かっていたJR貨物の第3087列車のコンテナ貨車5両が脱線した。国の運輸安全委員会が鉄道事故調査官を現地に派遣、調査を本格化させている。

JR北海道は11月18日、事故に関し、現時点での調査結果を公表した。この中で、脱線が起きたと推定される鷲ノ木道路踏切で、損傷した下り線側の右レールが著しく腐食しているのが見つかったと発表した。

同社は「現時点で運輸安全委員会から脱線の原因についての言及はないが、当社としてレール腐食が脱線の原因の1つになった可能性が高いと考えている」と指摘。「レール内部に発生するきずや、レール底部に発生する腐食に着目した検査をこれまで行っていたが、レール腹部の腐食が先行してレール損傷が発生することは予見していなかった」と説明した。

鹿部~長万部駅間で似たような条件にある踏切10カ所で点検を実施、全てで安全を確認したという。今後、範囲を広げ、超音波を使った点検を実施する。


鷲ノ木道路踏切の下り線側右レール。腐食が目立つ(JR北海道発表資料より引用)

(藤原秀行)

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