成田空港のトラックドックマネジメントシステム、混乱はほぼ収束

成田空港のトラックドックマネジメントシステム、混乱はほぼ収束

運営会社・田村社長が説明、ドライバー待機時間短縮に効果と期待

成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は11月28日の定例記者会見で、輸入貨物のトラック積載までの時間を短縮するため11月1日にトラックドックマネジメントシステムの運営を始めた際、現場で混乱を生じ、輸入貨物引き渡しに遅れが生じた問題について「トラックの事業者や荷主企業の方々にご迷惑をお掛けしてしまった。現場で作業する方々の習熟度の問題だったが、空港管理者としても大変申し訳ない」と謝罪した。

その上で、現在は運用がほぼ正常化していると説明、トラック待機時間の改善に効果を発揮すると期待を示した。


会見に臨む田村社長

同システムは北部貨物地区で導入。トラックドライバーが事前に輸入貨物の引き取り時間を予約できるのが特徴で、積み込み作業を担う上屋の運営事業者もあらかじめ作業の準備ができるのがメリット。以前は積み込み待機時間が最大5時間にも及んでいたが、NAAなどは同システムの活用で大幅に改善できると見込む。

田村社長は会見で、11月最初の連休明けの5日に貨物受け取りが集中し、システム自体は想定通り稼働したものの、輸入貨物の積み込みを担う作業スタッフがまだ慣れていなかったこともあって、11月8日ごろまで、輸入貨物の引き渡しに時間を要する事態が続いたという。

現状に関しては「当該事業者がいろいろ現場で改善を指導されたこともあり、現在はかなり落ち着いてきている。多くの案件で指定された時間に、ドライバーに(輸入貨物を)受け取っていただいており、お待たせしても最大1時間くらいになってきている」と説明した。

「今後、システムは効率化、トラックドライバーの労働時間短縮に大きく貢献するだろうと期待している。待ち時間は1時間でも長いということかもしれないので、さらに短縮すべく、臨機応変に(システムのオペレーションを)変えたりしながら、関係者みんなで協力していきたい」と語った。

(藤原秀行)

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