大和ハウス、物流施設など向けに総合災害モニタリングシステム開発

大和ハウス、物流施設など向けに総合災害モニタリングシステム開発

複数の建物で気象・地震の情報を一括して把握可能、効率的な補修点検など可能に

大和ハウス工業は12月5日、気象や地震の情報を一元管理できる総合災害モニタリングシステム「DoKo-moni(ドコモニ)」を開発、12月2日に物流施設や事務所・店舗などの建築を検討する企業への提案を開始したと発表した。

2023年3月から同社の一部物件(物流施設「DPLつくば中央」、「DPL浦安Ⅲ」)で試験運用を重ねてきた。


「DoKo-moni」の運用イメージ

複数の物件における建物ごとの気象と地震に関する情報を一括管理することが可能。ナレッジフォーサイトのリアルタイムモニタリング技術を活用し、建物に設置した各種センサー(加速度・風速・雨量など)やカメラのデータをまとめて確認できるようにしている。

地震発生時には加速度センターでつかんだ揺れの大きさに基づき、1分程度で推定被害状況を取得することが可能なため、災害発生時の効率的な補修点検や業務の速やかな再開につなげられると見込む。

さらに、技術者向け情報として計測・推定した地震の時刻歴波形(地震の発生から終息までの時間経過に伴う地震の揺れの記録)や層間変位量(地震など外部の力が建物に与えられた際に、各階の間で生じる変位の量)も確認できるようにしており、詳細データに基づく建物の構造解析などを実現する。

今後は、建物への大きな被害が懸念される雷やひょうなどのモニタリング情報も順次追加していく予定。


震度と推定被害状況


時刻歴波形と層間変位量

また、各種データの中でも建物への影響が大きい風速・雨量・震度について、被害の恐れがある際にアラートメールを発信。施設管理者などが指定した値を上回った場合、事前に登録したメールアドレスにアラートを送るため、迅速な初動対応を可能にすると想定している。

建物ごとに設置するセンサーの種類・個数・設置場所・アラートの指定値を変えられるため、施設の仕様や立地などに応じて、システムのカスタマイズが可能。


アラート発信のイメージ

各建物の計測データは長期保管。一括管理画面では、一目で複数の施設の状況を判別しやすくするために、各建物で計測される各種データ(気温・湿度・風速・雨量・震度)の数値に応じて各施設のマップピンを色分けして表示する。異常気象や地震発生時には施設の点検優先順位の設定などが容易になる。


一括管理画面(気象)


一括管理画面(震度)

(藤原秀行)※いずれも大和ハウス工業提供

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