省エネ運航実現、衛星通信で船内環境改善も
井本商運は12月5日、山口県下関市の旭洋造船で11月29日に、1000TEU(20フィート標準コンテナ換算)型コンテナ船「かこ」(9,828G/T、11,634D/W、船主:井本船舶)の命名・引き渡し式を実施したと発表した。
引き渡し後、京浜~苫小牧航路に投入する。今後も国際フィーダー貨物と国内貨物(動脈・静脈)のモーダルシフトによる海上コンテナ輸送の拡大を目指し、国際コンテナ戦略港湾と国内流通の省エネ化、低コスト化、多ルート化を後押ししていく構え。
本船は翼型船体形状を採用し、船首、船側、船尾形状を総合的に改良することで航海中の風圧抵抗を低減、省エネ運航を実現しているのが特徴。
併せて、最新の航海支援システムを取り入れ、既存船と比べてエネルギー使用量を削減する効果を期待。国土交通省と経済産業省による「内航船の革新的運航効率化実証事業」に認定された。
舵角の範囲を従来の2倍、左右各70度まで拡大したシリング舵を使い、推進抵抗を普通舵と同等に保ちながら操縦性や航海中の保針性を向上させ、緊急時の安全性も高めている。
低軌道衛星通信サービス「Starlink」(スターリンク)を業務用回線と乗組員の福利厚生用回線として装備することで船内環境改善も図っている。
本船全景(プレスリリースより引用)
(藤原秀行)