品質と作業効率改善の両立図る
出光興産は12月11日、燃料油の配車計画の作成業務に、AIと最適化モデルを活用した新システムを12月から本格的に導入したと発表した。
同システムは給油所「サービスステーション」（SS）ごとの需要予測をAIが担い、「需要予測に基づく配車に必要な各種計画の立案」と「タンクローリーの配車」を最適化モデルが実施する。
AIと最適化モデルの高い処理能力で出力した配車計画に、配車担当者が配送先の個別事情を加味して調整。デジタルと人知を最適に組み合わせる仕組みを採用している。
同社は従来の配車計画の質を維持しながら、作成時間を25％削減することが可能とみており、実現を目指す。
AIと最適化モデルを活用した新システムの概要（出光興産提供）
同社は燃料油の配送で、約70人の配車担当者が1日約5000件の配送オーダーに対し、最大1800台のタンクローリーの積み合わせに配送先の個別事情を加味して、配車計画を取りまとめている。
配送オーダーには、SSを運営する特約販売店などが同社に発注するオーダーのほか、配送量の適正化および配車の効率化を図るため、配車担当者がSSごとの燃料油の販売量を予測し特約販売店に代わって発注する計画配送がある。
配車計画の立案には計画配送を含め、様々な条件を考慮する必要があり、これまで配車担当者は多くの時間を要していた。新システムの採用で、配車担当者の練度に左右されず、配車計画の質を維持できるようになった。
（藤原秀行）
