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【独自取材】ラクスルが貨物と車両のマッチング事業で自社業務のデジタル化促進、対応件数2倍など成果も

【独自取材】ラクスルが貨物と車両のマッチング事業で自社業務のデジタル化促進、対応件数2倍など成果も

経験生かし、荷主や3PL事業者のDX促進支援へ専門チーム発足

貨物と車両のマッチングサービス「ハコベル」を展開するラクスルは、同サービスに関する自社業務のデジタル化を推進、配車担当者が対応した件数を大きく増やすなどの成果を挙げている。

同サービスは運送事業者の利用が着実に広がっており、輸配送事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に一層貢献するため、今後は自社の経験を生かして荷主企業や3PL事業者の業務デジタル化にもより積極的に携わっていく構えだ。

配送依頼のリモートワークを実現、コロナ禍でもサービス継続

同社は2015年12月、オンラインでのマッチングサービスとしてハコベルをリリース。利用が増えているのを踏まえ、19年2月には対象範囲を2トントラックや4トントラックなどの一般貨物とする「ハコベルコネクト」を開始した。現在は軽貨物を対象とする「ハコベルカーゴ」との2本立て体制で運営している。

ハコベルコネクトは貨物と車両のマッチングに加え、自社の支店・事業所間の管理・配車依頼や既存協力会社の管理・配車依頼を行える管理運用ツールの機能も持たせている点などがユーザーに受け入れられ、両サービス合計で提携している運送事業者は約5400社、登録車両台数は約1万5000台(いずれも19年12月末時点)に達している。

ハコベルのサービスにおいてマッチングはシステム上で実施するのと併せて、参加している運送事業者などのニーズを踏まえて必要に応じ、ラクスルの配車担当者が電話で問い合わせなどで対応している。同社は配車担当者が用いる電話を、通常の固定電話から電話とコンピューターを連動させるCTI(コンピューター・テレフォニー・インテグレーション)に切り替えた。CTIを使うことで、どの荷主企業や運送事業者のどの担当者から電話が掛かってきたのかをウェブ上で確認したり、通話の履歴情報を蓄積したりしてより迅速な対応につながるという効果を挙げている。

ラクスルが担っている運送事業者への依頼業務は全てオンライン経由で完結できるよう業務の運用フローを改善し、システム上での自動マッチング率向上に努めた結果、同社の配車担当者が配車依頼に費やしていた時間を以前の50%未満まで大幅に短縮。1カ月当たりマッチング対応件数は従来の2倍以上に高められているという。運送事業者にとっても、システム経由で配送業務をより素早く受注しやすくなるといったプラスの効果を生み出している。

また、CTIを使うことでオフィスに出勤しなくても自宅などで配車依頼などの業務を支障なく行えるようになり、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、リモートワークを促進し、マッチングが大きく滞る事態を回避することができた。

協力運送事業者もシステム利用でネットワーク構築

ラクスルは自社の業務デジタル化の果実をより生かし、運送事業者に加えて荷主企業や3PL事業者のDX戦略実行を後押ししていくための専任組織「DX推進チーム」を今年4月に立ち上げた。オンラインでの配送マッチングに加えて、配車管理機能も十二分に活用してもらうよう働き掛けるとともに、ユーザーのWMS(倉庫管理システム)やERP(基幹システム)とハコベルのシステムをAPI連携させ、データを有効活用することも視野に入れている。

また、荷主企業や3PL事業者が普段から付き合いのある協力運送事業者にも同時にハコベルのシステムを利用してもらい、デジタル化による輸配送業務効率化を関係者が一体的に進めていくよう促すことも念頭に置いている。

ある大手3PL事業者が6月からハコベルコネクトを試験的に利用しているが、1カ月余りで既に配送依頼の業務時間削減などの効果が見られるという。DX推進チームの鈴木裕之ソリューション推進部長は「協力運送会社にもシステムを導入していただき、ネットワークを構築することでDXの効果を体感されている」と手ごたえを感じている。

(藤原秀行)

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