迅速で定時性高いサービス実現
ヤマトホールディングス(HD)は12月12日、傘下の米国ヤマト運輸が米国とメキシコとの国境における通関手続きを必要としない「空港間保税転送」を活用した越境トラック輸送サービスを同日開始したと発表した。
通関手続きのリードタイムを短縮し、より迅速で定時性の高い越境輸送を実現する。
メキシコは米国と中国両国の貿易摩擦激化や米国における物価・人件費高騰などを受け、米国市場のニアショアリング(米国近隣で生産拠点を再編する)先として、日系企業をはじめ世界各国の自動車関連企業の進出が進んでいる。
半面、複雑な国境通関手続きに加え、貿易量増加に伴う通関手続きの混雑の影響で輸送の遅れが発生していることなどが課題となっている。
米国ヤマトは、これまで米国~メキシコ間における越境トラック輸送サービスを提供してきた。より迅速で定時性の高いサプライチェーンを構築するため、米国とメキシコの主要空港間の保税転送を活用した越境トラック輸送サービスの提供に踏み切ることにした。
通関手続きは到着地の空港で行うため、国境での通関対応が不要になり、リードタイム短縮と定時性向上につなげられると見込む。
(例)米国・テキサス州からメキシコ・モンテレイまでの混載輸送の流れ(ヤマトHD提供)
提供区間は:米国の主要空港(ダラス、シカゴ、アトランタ)~メキシコの主要空港(モンテレイ、グアダラハラ、メキシコ市)間。アジア圏発の貨物はロサンゼルス空港の利用も可能。
各ルート週3~5回の高頻度運行を実施し、コンテナ単位でのチャーター輸送またはパレット単位での混載輸送に対応。顧客指定の集荷先から空港まで、空港から配送までの輸送もワンストップで手配できるようにしている。
(藤原秀行)