九州の物流ハブ・鳥栖ICに近接、26年2月竣工予定
ESRは12月25日、佐賀県三養基郡基山町の長崎自動車道と県道3号線沿いに新たなマルチテナント型物流施設「ESR基山町ディストリビューションセンター」(基山町DC)を開発すると発表した。
ESRとして佐賀県で初めての案件で、九州地方では2件目。
地上4階建て、延床面積は6万5987㎡(1万9961坪)を計画しており、2026年2月の竣工を見込む。総投資額は約170億円を計画している。
「ESR基山町DC」完成イメージ
長崎自動車道や国道3号など、九州の東西南北を結ぶ交通結節点で九州の物流の要所となっている鳥栖ICから約5.8km(車で約13分)に位置。九州全域への配送を網羅できると見込む。
JR博多駅、福岡空港、博多港まで車で30分圏内。九州地方で産業集積が進む半導体に加え、一般雑貨、通販商材などエリア特性を活かした幅広いニーズに対応することが可能と想定している。
1階には2面、3階には1面のトラックバースを取り入れ、スロープで3階までアクセスできるようにする。最小賃貸区画は約2050坪、最大8テナントに分割が可能な設計を採用する。
敷地内に大型車の待機スペースを十分に確保することで、安全性に配慮した効率的な入出庫オペレーションを実現する。
倉庫部分の1~2階、3~4階は各々メゾネット仕様で16基の荷物用エレベーターによる高い縦搬送能力を備える。床荷重の基本スペックは1階が2.5t/㎡、2‐4階までが1.5t/㎡、梁下有効高は5.5m以上をそれぞれ確保する。柱ピッチは間口11m×奥行10.5mとするなど、物流運営の効率性と汎用性を重視する。
2階に人用空調区画、4階に半導体の管理に適した空調対応区画を設け、柔軟な仕様で開発するなど、ESRとして九州地方初の試みを展開していく方針。
駐車場エリアには、需要が高まっているスプレー、香水、リチウムイオン電池などを保管する危険物倉庫の増設も可能にする。
自家消費型太陽光発電所の設置を進め、テナント企業へ電力供給する予定。全館LED照明、トイレ・喫煙室・廊下・EVホールの人感センサーによる照明点滅など環境配慮型照明システムを設置し、外壁には断熱性の高いサンドイッチパネルの採用、ヒートポンプ式空調・節水器具といった省エネルギーの設備機器導入など、環境負荷低減に配慮した建築計画により CASBEE Aランク、BELS 6スター、ZEB Readyの各認証を取得する予定。
BCP対策として、非常用自家発電機を完備し、停電時でも一定時間、防災センター(全て使用可能)、荷物用エレベーター、電動シャッター、トイレ、倉庫照明、テナント事務室の照明・コンセントの一部を継続して使えるようにする。
1階と3階にそれぞれ約200㎡の従業員向け休憩室を備える。「物流2024年問題」を見据え、ドライバー専用の休憩室、トイレ、喫煙所も建設し、トラック待機場も十分確保する予定。
■所在地:佐賀県三養基郡基山町大字長野宇三川上38番1 他19筆
■敷地面積:35,106.55㎡(10,620坪)
■延床面積:65,987.11㎡(19,961坪)
■構造:地上4階建て/鉄骨造 耐震構造
■都市計画地域:市街化調整区域(地区計画)
■着工:2024年12月13日
■竣工:2026年2月28日(予定)
■設計・施工: 株式会社塩浜工業
■アクセス:
【車】長崎自動車道「鳥栖IC」より5.8km/大分自動車道「小郡IC」より7.2km
【電車】JR鹿児島本線「弥生が丘」駅より1.6km/JR鹿児島本線「基山駅」駅より2.5km
■福岡中心部へ30km/福岡空港へ28km/博多港へ31km
(藤原秀行)※いずれもESR提供