自動化で生産効率アップ図る、26年7月竣工見込む
関西ペイントは12月25日、愛知県春日井市に調色工場、販売、物流の各機能を備えた新拠点「愛知ステーション」を建設すると発表した。
現行の第17次中期経営計画でサプライチェーンの刷新を重点施策の一つに位置付け、構想を進めてきた。さらに、25年4月にスタートする次期中期経営計画の重点方針の一つに「構造改革による収益性と効率性の強化」を掲げ、環境循環性と経済性の双方を向上させるサプライチェーンの刷新を進めており、今回の新拠点もその一環。
塗料需要が大きい中部地区で、製造+販売+物流を統合し、自動化による生産効率のアップと働くスタッフの負担軽減、在庫集約・共同配送による事業競争力の強化を図る。
2026年3月に竣工、同年7月の操業開始を見込む。
愛知ステーション パース(プレスリリースより引用)
調色工場は事業性とサステナビリティ性の両立が求められているのを踏まえ、中部地区で競争力の大幅な向上を目指し、戦略投資を実施する。
愛知ステーションは省人化したスマートファクトリーを目指している。最新鋭設備を導入することで、調色時間を大幅に短縮し、年間70tの産業廃棄物が削減可能になると想定。
また、東名高速道路の春日井ICを降りてすぐ、国道19号線沿いにあり中部地区最大需要地の名古屋市まで30分という立地を生かし、西日本・東日本への配送をカバーする物流拠点としての役割も持たせる。東西物流の中間地点に位置することで、近年社会課題となっている「物流2024年問題」などの諸課題に対応する。
最新設備の導入により、工場内の溶剤臭の揮散を最小化した働きやすい作業環境を達成する。
このほか、70人規模のプレゼンルーム・大型塗装ブースを完備し、自動車補修・建築・防食・工業分野の全顧客が訪問できるオープンな施設とする予定。関係者で定期的に開催するプレゼンテーションや塗装デモを新拠点で完結できるようにし、関西ペイントの最新の塗料に触れられ、塗装技術の研修なども行える場にする計画。
【新工場の概要】
施設名称:関西ペイント株式会社愛知ステーション
所在地:愛知県春日井市大泉寺町
敷地面積:13,600㎡
施設構成:調色工場部門・販売部門、倉庫・物流部門
着工:2025年1月
竣工:2026年3月予定
操業:2026年7月予定
投資金額:約37億円
(藤原秀行)