カインズ、埼玉・日高の日本GLP物流施設内に新設拠点が本格稼働開始へ

カインズ、埼玉・日高の日本GLP物流施設内に新設拠点が本格稼働開始へ

岐阜プラスチック工業と連携し「茶殻リサイクルパレット」活用、CO2削減効果期待

カインズは1月10日、埼玉県日高市で新たな物流拠点「カインズ日高流通センター」が1月13日に本格稼働を開始すると発表した。

日本GLPが開発した物流施設に入居している。延床面積は6万6166㎡で、約1万8000パレット分の保管能力を備えている。


センターが入る物流施設の外観(カインズ提供)

首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の狭山日高ICから約3.4kmで、圏央道と国道16号の結節点に立地。首都圏にある店舗にアクセスしやすく、関東エリアでは敷地面積および保管能力がカインズ最大級の流通センターとなる。

物流施設のトラックバースは3面に設置しており、合計127台の車両の同時接車が可能。バース予約システムの導入で荷積みや荷下ろしに要する時間を削減し、「物流2024年問題」を踏まえたトラックドライバーの拘束時間短縮にも貢献できると見込む。

屋根全面に配置した太陽光パネルは2.6Mの太陽光発電が可能で、本施設の使用電力のうち70%を再生可能エネルギーで賄う計画。

岐阜プラスチック工業と共同で、お茶を抽出した後に残る茶殻をプラスチックの代替原料として生まれ変わらせた「茶殻リサイクルパレット」を開発、カインズで初めて採用した。

施設敷地内にある既存林の伐採樹木の一部をエントランスホールや休憩室の内装、建築資材として再利用し、環境負荷低減を図っている。

茶殻リサイクルパレットは、岐阜プラスチック工業から製作の提案があり、2023年初旬に構想の検討を始めたという。茶殻(原材料)の調達を岐阜プラスチック工業が、パレットのサイズや使用イメージ、強度などのデータ収集をカインズがそれぞれ担当。どのような仕様にするか協議を重ねた。

カインズによれば、最も苦労したのは、パレットの強度を維持した茶殻の配合率で、「茶殻を多く配合すれば良いというものではなく、その他原料との配合率によっては、パレットとしての強度が弱くなり、ひびが入ったり、割れてしまったりするので、何度も試作を重ねて配合率を決定し、製品化した」と説明している。

茶殻は茶樹が植物として吸収したCO2を炭素分として固定しているとみなされるため、カインズは全体の約1割を茶殻リサイクルパレットに変更することで、約4600㎏のCO2排出量を削減できるとみている。2リットル入りのペットボトルに換算すると約118万本に相当するという。

拠点概要
名称:カインズ 日高流通センター
所在地:埼玉県日高市大字上鹿山字茗荷沢780-1
交通:首都圏中央連絡自動車道「狭山日高IC」約4㎞
敷地面積:約55,026.15㎡
延床面積:約66,166.08㎡
保管能力:約18,000PL
トラックバース:127台
駐車場:285台
竣工:2024年4月3日
稼動開始:2025年1月13日

(藤原秀行)

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