ラストワンマイルの脱炭素支援、中型なども想定
香港を拠点にしている投資会社ZO FUTURE GROUP(ゾー・フューチャー・グループ)傘下で商用EV(電気自動車)などの開発を手掛ける新興のZO MOTORS(ゾー・モータース)は1月15日、東京都内で記者会見し、日本でのトラック開発方針を公表した。
登壇した同社の花田晋作社長CEO(最高経営責任者)は、日本では主にラストワンマイル配送を担う中小の運送事業者を中心に、脱炭素を支援するため利用を働き掛けていきたいと説明。第1弾として、2025年12月をめどに、最大積載重量が2tの小型EVトラック「ZM5」を投入する意向を示した。
併せて、26年6月に最大積載重量7.5tの中型EVトラック「ZM8」、同年12月に普通免許でも運転可能な小型トラック3種類(最大積載重量1.2t、1.5t、1.7t)をそれぞれ市場で発売したいとの考えを明らかにした。環境性能を高める一方、価格は抑えるなどして、物流事業者が利用しやすい車種を提供していく構え。
1月22~24日に東京・有明の東京ビッグサイトで開かれる展示会「第4回スマート物流EXPO」に、試験的に開発した最大積載重量が2.9tの「ZM6」の実車を出展することも明かした。
花田氏は「われわれは地に足を着けて、アフターサービスを含めてじっくりと実績を重ね、お客様と向き合って会話をしながら事業を進めていきたい」と語った。また、EV以外にも水素燃料電池などの新エネルギーの活用にチャレンジしていきたいとの思いを述べた。
ZM5については、車両価格を1000万円前後に設定する方向で調整していると語った。
会見する花田氏
今後の事業展開
「ZM6」のイメージ(ZO MOTORS提供)
ZO MOTORSは2023年7月発足。自らは設計などを担い、製造施設は持たず外部企業に委託するファブレスメーカーとして事業展開している。米国や中国、シンガポールなどでも拠点を構えている。
花田氏は、今後の車両販売計画として25年は300台、26年は800台、27年に2100台と拡大させていくイメージを披露。27年の時点でターゲットとしているマーケットのシェアを8%まで高めることを目指すと言及した。
同時に、メンテナンスなどアフターサービスにも注力することをアピール。具体策として、24年11月に自動車の環境・安全性能維持に取り組む一般社団法人日本自動車車体補修協会(JARWA)の正会員になったことや、同年12月に日本ロードサービス(JRS)と業務提携したことなどを挙げた。さらに、物流業界のニーズを踏まえ、将来は軽貨物自動車のEV化も検討する可能性があると明らかにした。
(藤原秀行)