グローバルで製鉄関連の事業成長目指す
鴻池運輸は1月23日、インドで鉄鋼スラグの処理を手掛けるFerro Scrap Nigam(フェロ・スクラップ・ニガム、FSNL)の買収手続きが1月21日付で完了し、完全子会社化したと発表した。
昨年9月に買収の方針を開示していた。
親会社でインド政府鉄鋼省傘下の国営企業Metal Scrap Trade Corporation(メタル・スクラップ・トレード・コーポレーション、MSTC)からFSNLの全株式を取得した。取得額は昨年9月の公表時点で32億ルピー(約55億6800万円)と説明している。
FSNLの民営化に伴い、インド政府が株式譲渡の公開入札を実施、鴻池運輸が落札した。
インドは粗鋼生産量が2023年は1億4000万tと世界第2位の実績を持ち、30年までに3億tへ能力を引き上げることを政府が公表。今後、世界の鉄鋼業界をけん引することが見込まれる。
FSNLはインド国内の製鉄所で副生されるスラグ(製鉄過程で発生する副産物)の処理、スラグ中に含まれる金属成分の回収と利材化を目的とした加工、取扱品の物流事業を展開している。
鴻池運輸は国内の製鉄所で製鉄原料管理、鉄鋼製品の加工・梱包、物流、設備メンテナンスなど様々な業務に携わっている。FSNLへの技術導入などで連携、同事業をグローバル規模で成長させていきたい考えだ。
(藤原秀行)