弁当盛り付けなど可能なロボット開発のFingerVision、シリーズAラウンドで4.1億円の資金調達

弁当盛り付けなど可能なロボット開発のFingerVision、シリーズAラウンドで4.1億円の資金調達

東北大など発の「視触覚」技術活用、食品加工から物流などにも展開へ

米カーネギーメロン大学、東北大学発の「視触覚」技術を活用し、弁当の盛り付けのように柔らかい食品でもつぶさずにつかめるロボットの開発を手掛けるスタートアップのFingerVision(フィンガービジョン)は10月18日、シリーズA(会社創生期)ラウンドで総額4.1億円の資金調達を実施したと発表した。


(FingerVision提供)

既存投資家の慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)に加えて、東北大学ベンチャーパートナーズ、ケイエスピー、Monozukuri Venturesが新たに第三者割当増資を引き受けた。FingerVisionは大学発のシーズ技術を起点にした「研究開発フェーズ」から、製品化・普及へとつなげる本格的な「社会実装フェーズ」に移ると説明している。

「視触覚」技術は、画像解析型の触覚センサー技術を活用し、ロボットハンドに取り付けたセンサーが対象物の固さなどを高精度で把握、適切な力でつかみあげる。

同社は会社設立当初から、人手不足・供給能力不足といった業界課題が極めて深刻で従来のロボット技術を活用した自動化の難易度が非常に高い「食品加工業界(総菜製造約60万人)」にフォーカス。事業開発・研究開発に経営資源のほぼ全てを投入してきた。

その結果、食品加工の生産ライン(総菜・弁当の盛り付け工程)への触覚センサー付きロボットシステムの納入・実稼働を実現した。

今後は引き続き、食品加工業界におけるロボットシステムの実装・普及にコミットするとともに、これまで開発してきた技術・製品を自動車、産業素材、三品産業、農業、物流、外食などの幅広い業界に展開していく計画。

直近では、これまで形式値化が難しく属人的な経験や感覚によって評価・判断されてきた「ハリ」や「ツヤ」などの触覚にまつわるデータを定量化する用途など向けの製品化・事業化を加速させていきたい考えだ。

(藤原秀行)

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