「運輸・倉庫」の景況感、1月は5カ月ぶり悪化

「運輸・倉庫」の景況感、1月は5カ月ぶり悪化

帝国データ調査、コスト上昇や景気の先行き不安が影響か

帝国データバンク(TDB)が2月3日公表した1月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が38.9で、2022年12月から2.7ポイント低下した。

昨年9月から3カ月続けて改善し、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年12月以来、約3年ぶりの高い水準まで回復していたが、12月は横ばいで景況感改善が一服した後、5カ月ぶりの悪化となった。

コロナ禍の感染拡大を受けた行動規制が緩和され、経済活動の再開が持続しているものの、ここに来て燃料費や電気料金など運輸・倉庫業の事業に影響を及ぼすコスト上昇が続いていることが逆風になったもよう。また、景気の先行きに不透明感が広がっていることも景況感の重しになったようだ。

全業種ベースの景気DIは1月が前月比0.9ポイント下がって42.1で2カ月連続悪化した。TDBは今後の景況感について「海外経済情勢などの不確実性が高まるとみられるものの、おおむね横ばい傾向で推移するとみられる」と説明、12月から基本的な見解を据え置いた。

運輸・倉庫業の個別のコメントを見ると、先行きに関しては「中国の新型コロナウイルス対策の緩和によりインバウンド需要が増加し、荷量のアップが見込める」(特別積合せ貨物運送)、「足元の景気が悪く、荷主との価格交渉も難化する。一方で、2024年問題による同業の廃業やM&Aの淘汰が進み、1年後をめどに業界全体としては若干改善の兆しが見え始めると予想」(一般貨物自動車運送)、「資材価格および電気料金の高騰により影響を受けている」(普通倉庫)といった声が聞かれた。

調査は1月18~31日、全国2万7362社を対象に実施、42.8%の1万1719社から有効回答を得た。運輸・倉庫業は532社が回答した。

(藤原秀行)

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