4月以降、年間720万リットル想定・国際物流の脱炭素促進図る
DHLエクスプレスとコスモエネルギーホールディングス(HD)傘下のコスモ石油マーケティングの両社は1月28日、環境負荷の低い航空燃料「SAF」の調達で提携したと発表した。
コスモグループのコスモ石油と日揮ホールディングス、レボインターナショナルの3社が設立したSAFFAIRE SKY ENERGYが日本国内で製造するSAFをDHLエクスプレスに提供。今年4月以降、中部国際空港を出発するDHLエクスプレスの提携貨物機に使用する。仕向け地は米国やアジア、欧州を想定しており、DHLエクスプレスは国際物流の脱炭素を促進していきたい考え。
会見時の撮影に応じるコスモ石油マーケティング・森山社長とDHLジャパン・カーン社長
コスモグループは1月27日、SAFFAIRE SKY ENERGYが25年度から廃食用油を原料とした国産SAFを日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)に供給する方針を公表した。DHLグループにも提供し、国内でのSAF普及を図る。
コスモ側からDHLへの供給量は年間720万リットルを計画している。DHLエクスプレスは、国際エクスプレスの定期航空貨物サービスでSAFを利用するのはアジアで初めてと説明している。
東京都内のDHLグループ拠点内で記者会見した、DHLエクスプレスのアジア太平洋地区マネジメントボードメンバーも務めているDHLジャパンのトニー・カーン社長は「日本はDHLにとって大きなマーケット。この投資は将来、絶対にプラスになってくる」と語り、脱炭素推進の方針を今後も堅持する方針を強調した。
コスモ石油マーケティングの森山幸二社長は「今回のスキームは国内で出てくる廃食油を使い国産SAFを製造するが、国内での廃食油調達は難しい。それ以外の調達も考えていかないといけない。(DHL以外の顧客の)期待に応えていきたい」と決意を語った。
(藤原秀行)