「業務監査室」設置、安全管理体制強化など列挙
JR貨物は1月31日、貨車や機関車を整備する際、車輪に軸を取り付けた「輪軸」を組み立てる作業でデータを改ざんするなどの不正を行っていた件で、国土交通省から2024年10月に鉄道事業法に基づく事業改善命令を受けたのに伴い、同日付で改善の具体策を国交省に報告したと発表した。
国交省から講じるよう命じられた「規程類の整備」「教育体制の改善」「作業記録の書き換えの防止」「安全管理体制の点検、見直し」の4項目の措置について、新たに「業務監査室」を設置し、これまでの本社、支社、現場による作業確認、安全監査室による監査に加え、業務監査室による多角的な視点からの監査を実施し、安全管理体制を強化することを打ち出している。
4項目のうち「安全管理体制の点検、見直し」は25年3月末の期日までにあらためて報告する。
報告によると、車軸を車輪に押し込む圧力の基準値を厳格に規定し、現場によって認識にばらつきがないよう整備。作業マニュアルの荷用見直し、作業担当者らへの基準値の重要性に関する再教育の実施、作業記録を容易に書き換えられないようにする仕組みの導入などを列挙している。
不正は24年7月に山口県の新山口駅で起きた貨物列車の脱線事故がきっかけとなり発覚。川崎市など3カ所の車両所で輪軸を組み立てる際、基準値を超える圧力を加え、記録簿を改ざんしていた。基準値以上の圧力をかけると車輪の耐久性に問題が生じる恐れがあった。
(藤原秀行)