SGHD・松本社長が方針説明、グローバル物流の飛躍的成長狙う
SGホールディングス(HD)の松本秀一社長は2月7日、東京都内で実施した台湾の物流大手Morrison Express Worldwide Corporation(モリソン・エクスプレス・ワールドワイド)買収に関する記者会見で、「事業領域の拡張と顧客基盤拡大に向けた成長投資との位置付け」と狙いを説明した。併せて、同社を傘下に収めることで経済成長が続くアジア地域の物流基盤強化を図っていきたいとの考えを示した。
会見に臨む松本社長
松本社長は現行の長期ビジョンで、2030年度に連結営業収益2.2兆円を目指す方針を示していることに言及。「グローバル物流を飛躍的に成長させていくにはオーガニック(自社の経営資源を活用した成長戦略)だけでなく、ノンオーガニック(買収や合併などを活用した成長戦略)が不可欠。そのために当社からお声掛けし、双方で合意に達した」と語った。
モリソンが航空フォワーディングのノウハウを厚く蓄積していることに期待を見せ、「当社は海上輸送に強く、航空と半導体を得意とするモリソンの事業と重複しない。相乗効果が高いと見込まれ、収益力の低い国際物流事業を重点事業へ転換することができる」と展望。多様な産業(インダストリ)の物流需要獲得にもつなげられるとの見方を表明した。
モリソンは世界のハイテク関連企業など6000社以上と取引があると指摘。買収でこれまでSGHDグループが得意としてきたアパレルやドラッグストア、化粧品、ECなどの領域に加え、半導体など先進技術の分野についても取り扱い拡大の足掛かりになると期待感を示するとともに、航空フォワーディングに加えて3PL事業も伸ばしていきたいとの思いを語った。
また、モリソンが現時点で欧米や中国、東南アジアで94拠点を展開していることに触れ、グループのエスポランカ傘下でロジスティクス事業を担っているEFLグローバルも含めrと210拠点に上ると説明。「(モリソン社の拠点も生かして)インドや中国、東南アジア市場にアプローチにより、アジア圏内の事業基盤を強化する」と強い意欲を見せた。
会見に臨む松本社長ら経営陣
(写真・中島祐、本文・藤原秀行)