老朽化施設の建て替え促進狙い
国土交通省・環境省のESG基金を活用して耐震・環境性能の高い不動産の普及を後押ししている一般社団法人環境不動産普及促進機構(Re-Seed機構)は3月3日、霞ヶ関キャピタルが携わっている埼玉県越谷市の冷凍自動倉庫「(仮称)LOGI FLAG TECH 越谷Ⅰ」の開発プロジェクトに資金を供給したと発表した。
同倉庫の開発用地購入などを担っている霞ヶ関キャピタル設立のSPC(特定目的会社)に対し、同倉庫が建築環境総合性能評価システムによる評価(CASBEE)のAランク認証以上を取得することを前提として出資した。
「(仮称)LOGI FLAG TECH 越谷Ⅰ」は2027年夏ごろの竣工を目指している。
「(仮称)LOGI FLAG TECH 越谷Ⅰ」の外観イメージ
Re-Seed機構は、政府が民間投資の呼び水となるリスクマネーを供給することにより、オフィスビルやホテルなどの耐震・環境性能向上につなげるとともに、老朽化した不動産の再生を通じ、地域の再生・活性化に資するまちづくりや地球温暖化対策の推進を実現することを目指している。2024年3月末時点で支援実行額は418.9億円に達しており、物流施設も含まれている。
冷凍倉庫は冷凍食品の利用増などで需要が拡大している一方、冷凍倉庫運営事業者は資金力に乏しい中小事業者が中心だが冷凍倉庫自体、通常のドライ倉庫より開発・更新に要する建築費などがかさんでいる。
日本冷蔵倉庫協会によると、2023年12月時点で築30年を超えている冷凍倉庫が全体の約6割に達している。多くの課題を考慮し、霞ヶ関キャピタルの開発案件に資金を供給。老朽化した配送センターを冷凍・冷蔵倉庫へ建て替え・再生することを支援する。
越谷の物件はRe-Seed機構のリスクマネーと合わせて、三菱UFJ銀行、三菱HCキャピタルのほか、東京センチュリーが各種ローンを提供、官民で協調したプロジェクト支援体制を展開している。
資金供給の概要
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用