5月1日付と発表、中国の関係当局審査に時間
ANAホールディングス(HD)と日本郵船は3月21日、ANAHDが日本郵船傘下で航空貨物輸送を展開している日本貨物航空(NCA)を株式交換で買収する時期について、公表していた今年3月31日から5月1日に先送りすると発表した。
ANAHDは当初、NCAを2023年10月1日付で子会社化する計画だったが、既に4回変更しており、5度目の延期となる。当初の見込みから1年半遅れることとなる。
ANAHDと日本郵船は時期変更について「中国の関係当局による企業結合審査の完了までに要する時間などを勘案した」と説明。株式交換実施の方針自体に変更はないと強調している。
NCAは2010年に日本郵船の完全子会社となったが、運航・整備体制拡充のための機材更新や人員育成に多大なコストを要することなどが課題となっていた。
日本郵船はANAHDヘの譲渡で中核の海運事業に経営資源を集中させるのが狙い。ANAHDはNCAを取得し、航空貨物事業の強化を図る。
(藤原秀行)