6月の就任前に会見
日本郵政の根岸一行次期社長(前日本郵便常務執行役員、4月1日付で日本郵政常務執行役)と日本郵便の小池信也次期社長(同社常務執行役員)は4月2日、東京都内で6月の正式就任を前に記者会見した。
根岸氏は冒頭、「今回の指名は郵便局をはじめフロントに近い感覚を事業経営に活かせということだと思っている。郵便局の目線、お客様の目線でグループ一体の経営をさらに進め、適切なガバナンスやリソース配分、リスクコントロールをしながら郵政ネットワーク全体として最大限活用することで、地域の方々や株主の方々など、さまざまな方々の期待に応えていきたい」と抱負を語った。
同時に、不祥事が続発していることに触れ「その是正、再発防止、あるいは組織改革が最優先の課題だと考えている。(組織改善策が)定着するまで継続的に取り組む」と強調した。
小池氏は「荷物収益の拡大などを進めていく。窓口事業は郵便局のネットワークを最大限活用し、お客様本位を実践してまいりたい。ロジスティクスやフォワーディングといった事業の取り組みを進める。中期経営計画の最終年度の今年度(2025年度)が成長ステージの転換につながるように、強い意志を持って全力で取り組ませていただく」と説明。
「点呼の不備などお客様に大変なご迷惑をお掛けしている。法令順守、ガバナンス確保が最重要事項と考えている。このような状況を一刻も早く是正できるよう、現状の実態をきちんと把握し、お客様本位や法令順守という意識を醸成することをやりきる覚悟を持って取り組む」と述べた。
同席した日本郵政の増田寛也社長は、旧郵政省(現総務省)出身の根岸氏と小池氏がトップに就くことに関し、外部の民間企業経営者らに打診してきたが「なかなか火中の栗を拾うという形にはいかなかった」と語った。
会見する根岸次期社長
(藤原秀行)