西武とオリックスの両グループ、自社ホテル向け共同配送を新たに大阪市内で開始

西武とオリックスの両グループ、自社ホテル向け共同配送を新たに大阪市内で開始

神奈川・箱根や京都・滋賀に続き、万博会期中の交通円滑化にも貢献目指す

西武ホールディングス傘下の西武・プリンスホテルズワールドワイドと、オリックスグループのオリックス・ホテルマネジメントは3月31日、それぞれが展開しているホテル間で共通の倉庫から食材をまとめて届ける共同配送の範囲を拡大し、4月1日から新たに大阪市内のホテルで始めると発表した。

西武・プリンスホテルズは2016年10月、自社の東京都内8ホテルで共同配送を順次開始。22年10月には神奈川県の箱根・湘南エリア、24年4月には京都・滋賀エリアで開始するなど、徐々に自社内で実施エリアを広げてきた。

 
 

両社が初めて実施した共同配送は2024年7月の箱根エリアで、その後24年11月に京都・滋賀エリアへ拡大していた。

大阪市内でも共同配送を進めることで、「物流2024年問題」など物流業界が抱える課題の解決を後押しするとともに、大阪・関西万博会期中の交通円滑化や観光業の持続的成長への貢献も図る。


共同配送のイメージ

両社の共同配送は、ホテルが食品を仕入れる際、各取引先から各ホテルに直接納品する代わりに、食品を各取引先からJ・MADEが大阪市で運営している「大阪南港物流センター」に納品し、食品の一時保管、荷さばき、検品業務などの流通加工を実施する。

集約した食品は同センターから共同配送便で各ホテルに届ける。共同配送の開始に際し、「大阪南港物流センター」を改修し冷蔵・冷凍庫を増床。各ホテルへ配送する大量の食品の 3温度管理保管(常温・冷蔵・冷凍保管)を可能にした。

共同配送で各取引先は各ホテルへの個別配送が不要となり、ホテルも各取引先との個別対応をせずに済むため、双方の業務効率向上につながると強調している。

 
 

ホテルへの納品車両削減でトラックドライバーの手配を最小限に抑え、物流2024年問題のドライバー不足解消やCO2排出量削減、ホテル近隣の交通渋滞緩和を目指す。

両社は、共同配送が流通業務の効率化に資する取り組みと主張して、J・MADEと物流総合効率化法に基づく「総合効率化計画認定」を申請、認定を得た。ホテル事業者が総合効率化計画認定を受けるのは初めてという。

両社の共同配送実施エリアについて ※赤枠が大阪市内で共同配送を実施する施設

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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