日通が高断熱性の長期間維持実現し脱炭素にも貢献の保冷輸送器材を開発、まず大阪万博で活用へ

日通が高断熱性の長期間維持実現し脱炭素にも貢献の保冷輸送器材を開発、まず大阪万博で活用へ

タイガー魔法瓶や岐阜プラスチック工業の技術活用、26年度の発売目指す

日本通運は4月8日、タイガー魔法瓶、岐阜プラスチック工業の両社と連携し、CO2排出量を削減できる高性能保冷輸送器材「プロテクトBOXサーマル」を開発したと発表した。

まず、4月13日に開幕する2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で、各パビリオンや飲食店などへの保冷貨物輸送に投入。性能を検証した上で、2026年度に商品として発売することを目指す。




プロテクトBOXサーマル

日通は「プロテクトBOX」を国内輸送の梱包ツールとして2019年に日本全国でサービスを開始。分離型や保冷輸送用、国際輸送用サービスなど顧客のニーズに合わせて、さまざまな商品を開発してきた。

脱炭素の要望に応えるため、新たに「プロテクトBOXサーマル」の開発にこぎ着けた。

従来の冷凍・冷蔵・定温輸送は、温度維持のために蓄冷材や蓄熱材の使用が必須だった。2社の技術を活用することで資材を不要とし、電力使用量の大幅な削減を実現した。

タイガー魔法瓶が開発したステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP)は、ステンレスを使用し、パネル内部を真空状態にすることで熱伝導を非常に低く抑えた高性能な断熱材。この断熱パネルに、岐阜プラスチック工業の軽量・高強度素材の樹脂製ハニカムパネル(TECCELL)を組み合わせ、断熱ユニットパネルを実現した。

日通はこの断熱ユニットパネルをプロテクトBOXに採用することで、貨物自体の温度で庫内温度を維持したまま輸送が可能な「プロテクトBOXサーマル」を生み出した。



輸送単位を「プロテクトBOX」にすることで、ドライ貨物と保冷貨物の積み合わせ輸送が可能となり、保冷車両が不要となるため、電力使用量とCO2排出量をさらに削減できると見込む。

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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