標識ない規制も明示可能に
オランダのデジタル地図大手HERE Technologies(ヒアテクノロジーズ)の日本法人は11月17日、HEREがドイツのハノーバーで9月に開かれた商用車や輸送管理システムなどの大規模展示会「IAA トランスポーテ―ションカンファレンス」で、EU(欧州連合)の新しい規制を受け、交通安全の向上と速度超過の削減を目的とした自動速度制御装置(ISA)の実装で商用車メーカーと提携する方針を発表したことを紹介した。
車載ISA機能で、走行中の道路の法定速度制限はドライバーの目の前、車のダッシュボード、カーナビゲーションシステム、後付け機器などに表示されるようになる。
今年7月からEU 市場で販売される全ての新型車、バン、トラック、バスにISA機能の搭載が義務化された。2024年7月以降、EUで新しく登録される全車両はISA機能を装備する必要がある。
HEREはソリューションパートナーと協力し、EU域内の全ての道路に対応する高品質の速度制限情報を提供することで、商用車および乗用車メーカーのISAコンプライアンスをサポート。HERE ISA Mapは欧州および世界のトラック業界大手を含め、15の国際自動車メーカー(30以上のブランド)に採用されている。
トラックや乗用車のメーカーは新規制下で、販売前にISA車両試験を受け、400km以上を走る間に90%の精度で速度制限データを取得する必要がある。合格基準は3つ以上の明示的な速度標識と3つ以上の暗示的な(数字を表示していない)標識。
欧州の道路には明示的でない速度制限があり、局所的な速度制限、規則、規制が数多く存在しているのが難点。欧州では速度制限の60%以上が明示されておらず、地域的な交通規則に基づいて制限が決まってはいるものの、道路標識には記載されていない。
HEREが提供するISA データは、データソースを組み合わせて速度制限情報を取得し、道路標識に記載されていない速度制限の問題に対応する。
(藤原秀行)