金型など1818個を発注先に無償保管させる
公正取引委員会は4月17日、暖房機器大手のコロナ(新潟県三条市)に対し、暖房機器などの量産に用いる金型を、製品や部品の製造発注先の企業に無償で保管させていたのは、下請法で禁じている「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」に該当するとして、再発防止を勧告した。
公取委によると、コロナは遅くとも2023年3月以降、発注先33社に対し、ストーブなどの製造に使う金型類計1818個を、長期間当該製品の製造を発注していないにもかかわらず無償で保管させ続けていた。
保管が30年以上に及んでいたケースもあったという。公取委はコロナに、保管費用に相当する額を速やかに支払うことなどを勧告した。
コロナは4月17日、公取委からの勧告を受けてコメントを公表。「今回の勧告による対象金型の保管費用に相当する額については、対象事業者様との間で誠実に協議を進めており、公正取引委員会の確認を得たうえで、速やかにお支払いいたします。また、次回以降の具体的な発注時期を示せない金型等については、廃棄の対応を既に実施しております」と説明した。
その上で、「本勧告を厳粛に受け止め、今後の取引において同様の問題が発生することのないよう、勧告内容を全役職員に周知徹底するとともに、下請法遵守の社内教育の実施やチェック体制を強化するなど社内体制を整備し、コンプライアンスの一層の強化と再発防止に努めてまいります」と強調している。
(藤原秀行)