1~3月の首都圏大規模物流施設市場、圏央道エリアは既存案件の空室が30万坪超え

1~3月の首都圏大規模物流施設市場、圏央道エリアは既存案件の空室が30万坪超え

CBRE調査、全体の空室率は11.1%に上昇

シービーアールイー(CBRE)が4月28日公表した2025年第1四半期(1~3月)の大規模マルチテナント型物流施設(延床面積1万坪以上)の賃貸市場動向調査結果によると、首都圏の期末時点の空室率は11.1%で、前期(24年10~12月)から1.3ポイント上昇した。

前期から上がったのは24年第3四半期(7~9月)以来、6カ月ぶり。3四半期続けて10%の大台を記録した。

 
 

新規に竣工した7棟(21.7万坪)の稼働率が全体で4割弱にとどまったことや、既存の物件で空きスペースが複数発生したことが影響した。


首都圏の物流施設需給バランス

今期(1~3月)の新規需要は10.4万坪で、過去3年間の平均(13.5万坪)を割り込んだ。

CBREは「空室が顕在化する前に館内や近隣テナントで成約に至るケースも複数見られた」と指摘している。

1坪当たりの月額実質賃料は4490円で、前期から0.2%下落した。圏央道エリアで1.1%ダウンしたことが全体を押し下げた。

首都圏の主要4エリアのうち、東京べりエリア(7.3%、対前期比2.4ポイント低下)と外環道エリア(6.1%、同0.5ポイント低下)は空室率が下がった半面、国道16号エリアは1.7ポイント上昇10.5%、圏央道エリアは2.0ポイント上昇し16.8%となった。

 
 

圏央道エリアは空室解消が進んだ物件もあったが、全体では既存案件の空室面積が30万坪を超えており「需給は引き続き緩んでいる」(CBRE)という。


首都圏のエリア別空室率の推移(いずれもCBRE資料より引用)

(藤原秀行)

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