年間で輸送トラック60台分・CO2排出量50％削減見込む
大日本印刷（DNP）と王子ホールディングス（HD）は5月14日、DNPグループの物流会社、DNPロジスティクスと王子グループの王子ネピア、王子物流の計3社が、両グループの製品を1台のトラックで同時に運ぶ「異業種混載輸送」を5月中旬に始めると発表した。
3社は2024年12月、混載輸送の実現を目指し、福島県～東京都の間で共同輸送の実証実験を進めてきた。その結果、従来と比較して、年間で両社の輸送トラックを約60台、CO2排出量を約50％削減できる見込みとなったため、輸送を本格的に始めることにした。
大人用の紙おむつ「ネピアテンダー」を製造する王子ネピア福島工場（福島市）と、包装資材を製造するDNPの泉崎工場（福島県泉崎村）が地理的に近いこともあり、両グループの製品を混載して東京の各拠点に届けることで、負荷低減と価値向上を図る「異業種混載輸送」を展開することにした。
異業種混載輸送を始めるのに際し、DNPのトラックの荷物の積み方を「1段積み」から「2段積み」に変更した。積載物の重量制限の範囲内で、積載量を従来の16パレットから28～最大32パレットに増やすことができたという。
トラックの荷台のスペースを確保し、混載輸送が可能になった。
2段積輸送のイメージ（両社グループ提供）
具体的には、王子ネピア福島工場→DNP泉崎工場の順番で荷物を搭載した上で、DNPグループの関東地区の工場・倉庫、王子ネピア江戸川倉庫（東京都江戸川区篠崎町）の順番で荷物を降ろす。
荷降ろしの順番を考慮し、トラック荷台の前方に王子ネピアの商品、後部にDNPの製品で搭載して輸送した。混載輸送によって両グループの製品の品質に影響が出ないことを確認済みという。
3社は今後、この取り組みを他の業種・エリアに拡大することも検討する。
（藤原秀行）
