模倣品分析や位置情報などをマーケティングにも活用可能
キヤノンITソリューションズ(ITS)は7月3日、EU(欧州連合)圏の個人情報保護規制レベルに対応した正規品判定クラウドサービス「C2V Connected(シーツーヴィー・コネクテッド)V1.2.1」の販売を開始したと発表した。
コネクテッドタグ1枚当たりの価格は2次元バーコードタイプが5円から、RFIDタイプは50円から。特に規制の厳しい EU圏でもサービスの利用が可能になり、グローバルに製品を展開する企業およびブランドの信頼性向上を強力に支援していく考え。
同社はキヤノングループが世界展開するカメラ、プリンター関連製品でアジアを中心に模倣品が数多く出回っていたことから、知的財産やブランド信頼性の保護を目的に「C2V Connected」を開発・展開してきた経緯を持つ。
スマートフォンを利用してユーザーが簡単に正規品判定を行え、位置情報など物流面も含む判定結果のデータを管理者画面から閲覧・取得してマーケティングや模倣品流通の分析にも活用可能。一例として想定外の地域で多く判定された場合、データを市場調査や販売地域拡大の検討につなげることができるなど、グローバル展開する企業にさまざまなメリットを提供していく。
EUの一般データ保護規則(GDPR)、中国のサイバーセキュリティー法など諸外国の個人情報保護規制は近年さらに強化されていることから、これに応じて同サービスでも判定履歴としてサーバー上に記録する個人情報の取得を制限する必要性が高まっていた。
今回の変更ポイントとして
▽位置情報の精度を変更して記録
▽判定を行う携帯端末が特定できないUUIDコード(アプリケーション固有ID)を記録
▽ネットワーク上の端末が識別できないようIPアドレス情報を一部変換して記録
――を挙げている。
(鳥羽俊一)