野村不動産が関東圏以外のエリアでも物流施設を積極開発へ、25~27年度に九州で5棟など計画

野村不動産が関東圏以外のエリアでも物流施設を積極開発へ、25~27年度に九州で5棟など計画

事業戦略を発表、全国で総額15棟・3400億円

野村不動産は5月30日、「Landoport」(ランドポート)ブランドを軸に展開している物流施設開発・運営事業の今後の戦略を発表した。

消費地に近接し、幹線道路が交差している「物流プライムエリア」で延床面積が3万坪以上のマルチテナント型案件を積極的に開発していく方針を表明。併せて、これまで軸足を置いていた関東圏に加え、関西や中部、九州、東北の各エリアで開発を強化・拡大していく考えを示した。東北は初進出となる。



「物流2024年問題」でトラックの長距離輸送への規制が強化されている中、東北エリアなどで中継輸送に使える物流施設を提供していくことに意欲を見せた。

具体的な計画として、2025~27年度の3年間に関西圏で2棟(約7万5000坪)、中部圏で2棟(約10万6000坪)、九州圏で5棟(約8万3000坪)、東北件で2棟(約1万8000坪)の開発をそれぞれ予定していると発表した。

関東圏でも4棟の開発を進めており、用地を含めた投資額は15棟(約39万6000坪)の総額で約3400億円に上る見込みで、22~24年度の3年間の実績(10棟・約1300億円)から大きく増やす。累計の開発・運用棟数は全国60棟、投資額は8000億円に達する見通し。

28~30年度には事業化が決まっている案件が約2200億円と、投資予定の案件が約3000億円を想定、30年度までの総投資規模は約1.3兆円になるとみている。

また、千葉県習志野市で新設する物流施設は1フロアを冷凍・冷蔵専用と設定、冷凍・冷蔵倉庫を本格的に展開する。

並行して、荷主企業やマテハンメーカーなどと連携し、物流業務効率化につながる多様なソリューションを開発する共創プログラム「Techrum(テクラム)」の取り組みを強化するなど、物流施設ユーザーの自動化・省人化をより強力にサポートしていく姿勢を明示。現在テクラムの活動拠点となっている千葉県習志野市の「習志野Techrum Hub」(習志野テクラムハブ)に加え、ソリューション導入の効果を検証できる拠点を設けることを検討する考えを明らかにした。



さらに、政府が2026年4月、一定規模以上の企業に「物流統括管理者」(CLO=最高物流責任者)を配置するよう義務付けるのを踏まえ、企業が情報交換などの場として使えるイベント「CLOサロン」を展開していくことなども打ち出している。

(藤原秀行)

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