「2024年問題対策協議会」でNAAが運用改善の検討表明
成田国際空港会社(NAA)は6月16日、同空港でトラックドライバーが輸入貨物の引き取りに時間を要している問題の改善策を協議する「2024年問題対策協議会」を開催し、昨年11月に導入した引き取り時間を事前予約できる「輸入トラックドックマネジメントシステム」(TDM)の運用状況を説明した。
年度末前後などの繁忙期には、予約した時間から輸入貨物のトラックへの積み込み作業を始めるまで1~2時間を要しているケースが多数見られ、期待ほど荷待ち時間の短縮効果を得られていないことが浮き彫りとなった。
NAAは運送事業者らの指摘を踏まえ、午前6~7時の早朝時間帯に貨物上屋のスロットを十分活用できていないことから、前日に予約できるよう運用を改善することを検討、トライアルを実施する方向で調整する考えを示した。
また、スロットは現状、30分前まで予約可能と設定しているが、さらに短縮して15分前までにする方向で準備することも説明した。
トラック運送事業者らが集まった協議会
TDMはトラック運送事業者やドライバーが専用のウェブサイトやアプリ経由で引き取り時間を予約できる。上屋ごとの作業混在状況も表示するなど、待機時間短縮に努めている。トラック運送事業者からは引き取り可能な時間帯の目安をつかめることなどを評価する声が上がっている。
同協会の終了後、会長を務めているNAAの宇野茂執行役員営業部門貨物営業部長はメディア各社の取材に応じ、「具体的に何ができるか、関係者の皆様がアイデアを出し合いながら考えられる環境が整ってきた」と評価、システムの運用改善に努める姿勢を示した。
取材に応じる宇野氏
(藤原秀行)