国際的な認証取得
日揮ホールディングス(HD)と東京都、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)の4者は7月8日、廃食用油を原料とした国産SAF(環境負荷の低い航空燃料)で航空機が飛ぶ世界を実現することを目指したプロジェクト「Fry to Fly Project」の一環として、日揮HDが都と連携して回収した廃食用油を原料の一部として、大阪府堺市の製油所で量産した国産SAFの供給を羽田空港発の定期旅客便向けに開始したと発表した。
日揮HDと都は2024年3月、廃食用油の回収を促進するため「東京 油で空飛ぶ 大作戦 Tokyo Fry to Fly Project」を開始し、都民のの意識改革や行動変容を目指している。
今年5月から、「東京2025世界陸上」の開催を契機として「家庭の油 回収キャンペーン」を展開。都庁舎や区市町村に家庭からの油の回収所を設置するとともに、東京2025世界陸上アスリートアンバサダーのやり投げ・北口榛花選手を起用したPRなどで回収を促進。SAFの認知度向上や都民の行動変容につなげていくことを目指している。
都はさらに、は廃食油の回収促進に加えて、国産SAFの安定的な供給に向け、海外産SAFとの価格差を助成する「国産SAF利用促進事業」を全国で初めて開始した。
供給するSAFは、日本のSAF製造事業者として初めてISCC CORSIA認証(持続可能な製品の国際的な認証)を取得した合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが、現時点で国内唯一となるSAF製造設備(大阪府堺市コスモ石油堺所構内)で量産した“環境価値”の証明を受けたもので、24年12月には日本国内初となるSAFの大規模製造設備が完成し、25年4月から日本国内における安定的な国産SAFの製造・供給がスタートした。
羽田空港で実施した記念イベントの様子(プレスリリースより引用)
航空業界は国際民間航空機関(ICAO)で国際線の航空機によるCO2排出量を2050年までに実質ゼロとする目標を掲げ、24年以降は国際航空分野における排出量を19年比で15%削減することを目指している。
(藤原秀行)