作業負荷減らせる新栽培法活用、持続可能性向上図る
ヤマタネは7月17日、ドイツの化学大手BASFの日本法人BASFジャパン、農業向けロボット開発などを手掛けるNEWGREEN(東京都小金井市)の両社と組み、日本の水稲栽培で脱炭素・低環境負荷につながる新しい栽培法の支援と、生産物の流通・付加価値創出に向け、戦略的提携の協議を開始したと発表した。
デジタルソリューション、カーボン認証プログラム、流通インフラの連携を検討し、生産者の高齢化や後継者不足などに直面する農業をサポートし、持続可能なコメ生産を支援するエコシステムの実現を図る。
3社は近年新しい栽培法として注目されている「節水型乾田直播栽培」を生かし、生産者の収益性を向上させる仕組みを構築していくことを念頭に置いている。生産現場を基点とした脱炭素化と、付加価値米のサプライチェーンの構築につなげ、農業の環境面、経済面の双方で持続可能性を高めることを目標にする。
同栽培法は水を張っていない田んぼに直接播種するのが特徴で、出芽後も湛水せず、必要に応じて灌水する。レベリング、育苗、代掻き、移植(田植え)、水管理など、水稲栽培で労力とコストがかかる工程を省けるため、農業の負荷抑制と環境負荷低減が見込めるという。
(藤原秀行)