生産拠点最適化や拠点共同利用など推進
トヨタ自動車やパナソニックホールディングス、三井物産が出資し住宅関連事業を手掛けるプライム ライフ テクノロジーズ(PLT)と傘下の大手住宅メーカー3社(パナソニック ホームズ、トヨタホーム、ミサワホーム)は7月24日、物流効率化の取り組みの成果を公表した。
各社の輸送協力会社19社の稼働状況に応じて車両を融通し相互活用するなど、輸送連合体制を構築した結果、2024年度末までに4tトラック261台分/年に相当する輸送力不足への改善を達成。輸送時のCO2排出量も年間26t減らせたという。
住宅3社はトータルで全国に14カ所の生産拠点と85カ所の物流拠点を展開。それぞれを活用する形で「地産地消」「物流拠点の共同化」「輸送の効率化」「輸送の連合化」などを推進してきた。
「地産地消(生産拠点の最適化)」は大型部材の生産について、3社の生産・物流拠点を共同活用し、建築予定地の最寄りの拠点で生産することで、長距離輸送を削減。具体的には、九州エリア向けのパナソニック ホームズやトヨタホームの屋根パネルを、パナソニック ホームズ九州中継センター(福岡県大刀洗町)やミサワホーム福岡工場(福岡県鞍手町)で組み立て、輸送を効率化している。今後も対象部材の拡大を検討する。
「物流拠点の共同化(ドライバー負担の軽減)」は3社の生産・物流拠点を共同活用し、長距離輸送時の中継デポとして利用することで、長距離輸送を抑制し、ドライバーの拘束時間やトラック台数を削減。例えばパナソニック ホームズ湖東工場(滋賀県東近江市)から愛知県東部エリアへの輸送の際、トヨタホーム春日井事業所(愛知県春日井市)を中継デポとして活用している。
「輸送の効率化(空車回送の削減)」は、3社の「帰り便」を有効活用することで、空車での回送を削減し輸送を効率化。一例を挙げると、ミサワホーム岡山工場(岡山県備前市)から同名古屋工場(愛知県江南市)への配送の帰り便を活用し、パナソニック ホームズ湖東工場からパナソニック ホームズ岡山デポ(岡山県倉敷市)へ部材を届けている。
「輸送の連合化(輸送能力の最大化)」は、特に輸送力がひっ迫する関東・中部地区で、3社の輸送協力会社のネットワークを共有。3社の繁閑差を活かして各社の輸送協力会社19社を相互活用する体制を構築し、ピーク時のトラック台数を平準化している。繁忙期におけるミサワホーム沼田工場(群馬県沼田市)からミサワホーム松本基地(長野県松本市)への部材転送に、パナソニック ホームズの輸送ネットワークを使っている。
このほか、過去2年にわたる取り組みの中でモーダルシフトやトレーラー共同活用なども展開。輸送効率化を促進し、2030年度までにCO2排出量を20年度比50%削減との目標達成を図る。
パナソニック ホームズ湖東工場内イメージ(PLT提供)
(藤原秀行)