タカミヤ、建設業界の人手不足対応で足場運搬ロボットのレンタル開始

タカミヤ、建設業界の人手不足対応で足場運搬ロボットのレンタル開始

工数を3分の1に削減、労働負荷軽減と事故リスク低減見込む

建設現場用の仮設機材などの製造・販売・レンタルを展開しているタカミヤは7月29日、建設現場向けのロボットなどを手掛ける建ロボテック(香川県三木町)と共同開発した、足場に使うパイプレールの運搬ロボット「TLEVER」(トレバー)のレンタル提供を7月に始めたと発表した。

資材運搬を自動化して作業員10人分の運搬をロボットに任せられるようにし、工数を3分の1に削減。建設業界が直面する深刻な人手不足の解消と、生産性や安全性の飛躍的な向上を後押ししたい考え。




パイプレール運搬ロボット「TLEVER」

TLEVERは重量を1台当たり28kgに抑え、重機を使わず人力で設置できるようにしている。最大500kgの資材を一度に積載可能で、実働8時間持続する大容量バッテリーを搭載し、長時間の連続稼働に対応する。

独自開発のパイプレール上を走行するため、ぬかるみや凹凸のある不整地でも安定した長距離運搬を実現できると想定。障害物を検知する3段階の安全センサーを取り入れ、作業員と周辺環境の安全を最優先に確保できるよう配慮している。


TLEVERの構成

タカミヤは特にクレーンが届かない場所、トラックなど車両が進入できない狭い搬入路、天井が低いトンネルや橋梁の下部空間といった環境で効果を発揮できるとみている。

今後はTLEVERのレンタル提供を通じて得られる稼働時間や移動距離といった実運用データを蓄積・分析し、顧客の現場ごとに最適化した工程管理や、さらなる効率化のソリューションを提案していくことも視野に入れている。



■TLEVERの基本仕様
搬送可能荷重:500kg
搬送スピード:1.3km/h
登坂能力:5%(2.8度)
本体重量:28kg(1台)
外形寸法(cm):L76(脱着式接触センサー含まない)×W61×H38(パトライト含む)
電源:リン酸鉄リチウムバッテリー 100V 充電時間6~7h
安全機能:・前後上部接触停止機能・前後下部接触停止機能・転倒時停止機能
     ・小雨の運用可能な防滴仕様

タカミヤは建設業の深刻な人手不足・コスト高などの問題に対応するため、建設業務効率化ソリューション群「タカミヤプラットフォーム」を提供している。足場などの仮設機材の調達・運用マーケットプレイス提供やデジタル設計支援などのデジタル化に加え、鳶職人に特化した無料の求人サイトまで、多岐にわたるソリューションを統合。TLEVERもその一環と位置付けている。

(藤原秀行)※いずれもタカミヤ提供

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