不当な返品261万円分も判明
公正取引委員会は7月29日、自動車用ミラーなどを手掛けている美里工業(群馬県藤岡市)に対し、製品の製造に用いる金型を委託先企業に無償で保管させたことなどが下請法に違反しているとして、再発防止策を講じるよう勧告した。
公取委によれば、同社は遅くとも2023年9月以降、長期間発注する見通しがないにもかかわらず、委託先の14社に対し、自動車のミラーなどの製造に必要な金型や治工具を合計2029個無償で保管させていた。公取委はこうした行為が下請法で禁じる「不当な経済上の利益の提供要請」に当たると判断した。
また、同社は23年9月~今年3月の間、委託先10社から製品などを受け取った際、品質検査をしていないのに製品に瑕疵があると主張、総額約261万円分を引き取らせていた。公取委は同じく、下請法が禁止している「不当な返品」に該当すると判断した。
同社は公取委の指摘を受け、今年3月までの間に金型など359個を回収しており、残りの分についても引き取る準備を進めているという。
(藤原秀行)