国交省が検討会に最終取りまとめ案提示
国土交通省は7月31日、既存の道路インフラを活用して自動で荷物を輸送する「自動物流道路」の実現に向け、必要な機能や克服すべき課題などを議論する有識者らの検討会(座長・羽藤英二東京大学大学院工学系研究科教授)を開催した。
自動物流道路は国交省などが専用空間で特別の物流機器に荷物を積み込んで輸送することを想定しており、2030年代半ばの運用開始を目標に掲げている。国交省が同日の検討会会合で、これまでの議論を踏まえ、自動物流道路の機能などに関する最終取りまとめ案を提示した。
自動物流道路について、24時間稼働とし、小ロットの輸送に対応できるようにすることなどでトラックドライバーの負荷を低減する方向性を明示。稼働に当たっては脱炭素技術を駆使し、負荷の低い輸送手段にすることもあらためて打ち出している。
また、展開する区間は既に示している東京~大阪間を基本にしながら、関東・東関東や兵庫などに拡大することについても検討する旨を提示。時速70~80kmで移動することを目指す方針も盛り込んでいる。これまでは30kmをイメージしていたが、より高速で荷物を運べるようにし、トラックの機能を十分代替することを目指す。
以下の4区間で、2025年度中に整備のイメージに関するケーススタディーを行うことも提唱している。
①東名厚木IC周辺(伊勢原JCTなど) ~ 東名駒門PA または愛鷹PA(沼津IC)
②東名厚木IC周辺(伊勢原JCTなど) ~ 新東名駿河湾沼津SA
③名神養老JCT周辺 ~ 名神関ヶ原IC周辺
④新名神城陽IC ~ 八幡京田辺IC
自動物流道路の効果として、2030年時点で見込まれている輸送量(トラック)不足分の8~22%程度をカバーできるとの試算を出している。
(藤原秀行)