ヤフーとプラスがアスクル・岩田社長の再任に反対表明、アスクルは提携解消協議申し入れ

ヤフーとプラスがアスクル・岩田社長の再任に反対表明、アスクルは提携解消協議申し入れ

EC「ロハコ」事業めぐり意見対立、関係悪化決定的に

※本日午前11時半すぎに配信した記事の内容を一部差し替えました

ヤフーは7月17日、傘下で事業者向けインターネット通販などを手掛けるアスクルの岩田彰一郎社長の再任に反対する意向を表明した。同社が8月2日に開催する定時株主総会で、会社側が提出する取締役選任議案に関し、岩田社長の取締役再任に反対の議決権を行使する予定と説明している。

ヤフーは再任反対の理由として「低迷する業績の早期回復、経営体制の若返り、アスクルの中長期的な企業価値向上、株主共同利益の最大化の観点から、抜本的な変革が必要と判断した」と強調している。他の取締役に関しても賛否を慎重に検討する意向。

ヤフーとアスクルは2012年に資本・業務提携契約を締結。現在はヤフーがアスクル株式の約45%(議決権ベース)を保有する筆頭株主だ。さらに、ヤフーに次ぐ第2位のアスクル大株主となっているプラスも7月17日、ヤフーの考えに賛同して定時株主総会で岩田氏の取締役再任に反対の議決権を行使する予定と発表した。プラスは18年11月時点で1割超出資しており、ヤフーとプラスを合わせると議決権ベースで過半数に達する公算が大きい。岩田社長は窮地に立たされた格好だ。

一方、アスクルは同日、ヤフーから岩田社長の退陣要求を受けているのは事実と認めた上で「提携関係の解消協議を申し入れた」と開示した。両社は12年からアスクルが展開している一般消費者向けネット通販「LOHACO(ロハコ)」の運営をめぐって意見が対立しており、関係悪化が決定的となった。

「事業計画立案力と遂行力に疑問」と強い不満

19年5月期のロハコ事業売上高は513億円でユーザーを堅調に獲得している。ただ、ヤフーは「サービス開始から現在まで収益の改善は見られず、14年5月期の約29億円の赤字から悪化して、19年5月期は約92億円の赤字という結果になった。これらの実績から、当社としては現在のeコマース市場の環境下における岩田社長の事業計画の立案力および事業計画の遂行力に疑問を抱くに至った」と強い不満を表明している。

ヤフーは岩田社長の取締役再任が否決された場合、「アスクルの筆頭株主として、引き続きアスクルの上場企業としての独立性が重要との考えから、新経営陣とアスクルの意向を尊重する。当社はアスクルの中長期的な企業価値の向上および早期の株主共同の利益最大化に向けて迅速に取り組めるよう、最大限協力をする」との意向を示している。

岩田氏は1997年3月からアスクル社長を務めており、在任期間は22年を超えている。

(藤原秀行)※ロゴマークはアスクルウェブサイトより引用

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