日本郵政が4~6月決算で開示
日本郵政は8月8日、2025年第1四半期(4~6月)連結決算を公表した。グループの郵便・物流事業の営業損益は4億円の黒字となり、前年同期の364億円の赤字から大きく改善した。第1四半期としては小幅ながら22年以来、3年ぶりに黒字を確保した。
昨年10月に郵便料金を引き上げた効果が大きかったほか、買収したトナミ運輸を吸収した「JPトナミグループ」が収益を411億円押し上げたのが主因。取扱数量は旺盛なEC利用でゆうパックが前年同期から2.2%、ゆうパケットも6.9%増えたが、屋台骨の郵便は5.7%、ゆうメールは2.6%それぞれ減少しており、郵便の苦境に改善の兆しは依然感じられない。
また、日本郵便が点呼不正で国土交通省から今年6月25日に貨物運送の事業許可取り消しの行政処分を受けたのに伴い、外部事業者らへの集配運送の追加委託費用が年間で65億円程度発生するとの見通しを初めて示した。日本郵便は「現時点で確度が高い」と説明しているが、同社が自らの不祥事でライバル事業者らに頼らざるを得ない弱い立場にある中、今後の経済情勢によってはさらに追加委託費用がかさむ可能性がある。
(藤原秀行)