商船三井グループが運航する洋上原油輸送船CTV、シェル&トタルと三者間契約締結

商船三井グループが運航する洋上原油輸送船CTV、シェル&トタルと三者間契約締結

普及のマイルストーンになると期待

商船三井は8月26日、100%子会社のSeaLoading Holding(シーローディング・ホールディング)が保有し、2020年からエネルギー大手TotalEnergies(トタルエナジーズ)グループのTotalEnergies EP Brasil(トタルエナジーズEPブラジル)向けに運航している、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)から通常のタンカーまで洋上で原油を運ぶ特殊船「カーゴ・トランスファー・ベッセル」(CTV)に関し、Shell Brasil Petróleo(シェル・ブラジル・ペトロレロ)向けに使用を許可する三者間契約をShell、TotalEnergiesの両社と締結したと発表した。


(商船三井提供)



当該のCTVはブラジル沖サントス盆地に位置するFPSOが生産した原油をタンカーへ移送するため、TotalEnergiesが用船している。

引き続きTotalEnergiesが同船の優先的な使用権を有する一方、今回の契約締結でShellもCTVを自社の貨物積み出しに用いることが可能になった。

商船三井は世界で初めてCTV技術の採用に踏み切ったSeaLoader1の用船者TotalEnergies協力の下で実現した、ShellによるCTV事業参画は、ブラジルにおける一層のCTV普及に向けた大きなマイルストーンになると期待している。ブラジルで操業している2隻のCTV船は、累計130回以上の荷役実績を積み重ねているというす。

CTVは従来のシャトルタンカーによる原油転送時に比べCO2排出量とコストを大幅に削減できるため、石油メジャーとの協業を強化し、原油生産・貯蔵から積み出しに至るまでのサプライチェーンにおける効率化と環境負荷低減を進めていく構えだ。

(藤原秀行)

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