関通とケーキ専門通販サイト運営のCake.jpが資本・業務提携、スイーツ業界の物流変革目指す

関通とケーキ専門通販サイト運営のCake.jpが資本・業務提携、スイーツ業界の物流変革目指す

専用のWMSやフルフィルメントセンター運営視野に

関通と、ケーキ専門通販サイト「Cake.jp(ケーキジェーピー)」を運営するCake.jp(東京都新宿区西新宿)は8月26日、冷凍スイーツ・洋菓子業界の物流基盤構築を目的とした資本・業務提携契約を締結したと発表した。

関通がCake.jp加盟店や菓子事業者に対し、物流業務効率化を提案し、業界全体の物流課題解決につなげていきたい考え。具体的な出資の額や比率は開示していない。



近年、冷凍技術の進化、ライフスタイルの変化に伴う消費者ニーズの多様化を背景に、冷凍ケーキ・冷凍スイーツの需要が急伸しており、市場調査によれば、2025年の冷凍デザート市場規模は約1兆円とみられ、今後も年平均7.75%の高い成長率が予測されているという。

ただ、EC・卸販売の拡大とともに、冷凍・冷蔵・常温をまたぐ多温度帯の一元管理、小ロット・多品種への対応、賞味期限やロット単位の正確な在庫管理、販路別(通販・卸・店舗)に応じた柔軟な出荷・梱包といった課題も顕在化している。

そのため、両社が連携し、業界特化型の物流インフラ共創へタッグを組むことにした。


(両社提供)

具体的には、スイーツ業界に特化したWMS(倉庫管理システム)ソリューション「トーマス for Sweets」を提供。冷凍・冷蔵・常温の3温度帯全てをカバーし、賞味期限・ロットごとの精緻な在庫管理をサポートする。初期導入コストを抑えたSaaS型プランも提供することを視野に入れている。

また、フルフィルメントセンター「Cake.jp Sweets BASE(スイーツベース)」を2026年8月に稼働させる方向で準備を進めている。Cake.jp加盟店・OEM(相手先ブランドによる製造)パートナーに加え、Cake.jpに加盟していないケーキ・洋菓子店や新規参入事業者も利用可能な体制を整備して、スイーツ業界全体の物流を支える“業界共通インフラ”として機能させたい考え。



2025年は、「トーマス for Sweets」導入10社以上、Cake.jp Sweets BASEの本格稼働を目指し、順次サービス拡大を図る。将来は原材料調達・販促支援・金融機能なども視野に入れた、「スイーツ業界総合支援プラットフォーム」構築を狙う。

(藤原秀行)

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