「空飛ぶクルマ」、30年代前半に地方部で貨物輸送サービス開始と想定

「空飛ぶクルマ」、30年代前半に地方部で貨物輸送サービス開始と想定

国交省が官民協議会で万博後の実用化実現イメージを提案

政府は8月28日、東京都内で「空の移動革命に向けた官民協議会」の会合を開催した。

国土交通省は「空飛ぶクルマ」に関し、デモ飛行が展開されている大阪・関西万博後の実用化実現イメージを提案した。



まず2020年代後半に大都市圏で主要なエリアを結ぶ2地点間運航や遊覧飛行など「非日常的な体験として商用運航が限定的にスタートする」と想定。一方、地方部では景勝地の遊覧飛行などの商用運航に加え、拠点間の貨物輸送の実証も始めると展望している。

その後、30年代前半には大都市圏で、広域的な運航ネットワークの原型が形成され、都市内運航が一部の主要エリアで始めるとともに、都市景観を楽しむ遊覧が拡大し、空港と大都市圏の商業施設やホテルなどを結ぶ空港アクセスサービスが一部で始まると予想。

地方部も同じく遊覧飛行が広がり、観光客送迎にも使われ始めるほか、「物流拠点にVP(バーティポート、専用離着陸設備)が整備され、貨物輸送サービスが開始される」とのシナリオを描いている。さらに、ドクターヘリの保管として使われることも念頭に置いている。

さらに、30年代後半は都市部で「主要な都市間の自由な往来がさらに拡大」するなどとみている。地方部は「全国各地の観光地で空飛ぶクルマが利用できるようになる」と分析している。

40年代以降には、大都市圏と地方部のいずれでも、空飛ぶクルマを使った移動が定着していることを見込んでいる。

国交省は民間事業者や地方自治体などとも連携、空飛ぶクルマの実用化を加速していく構え。




万博会場でデモ飛行をするSkyDriveの空飛ぶクルマ(同社提供)

(藤原秀行)

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