日中双方向型の『越境共創物流モデル』提供」と説明
関通は9月1日、中国・上海で国家戦略エリア「外高橋保税区」を運営する政府系企業の上海外高橋港総合保税区発展有限公司と業務委託契約を締結したと発表した。
日中をまたぐ包括的な物流プラットフォームの運営を正式に開始した。
併せて、連携強化の一環として、関通は中国や東アジアなどを軸に国際物流を手掛けるフォワーダーのフレートマンロジックスの株式10%を取得し、資本関係を含む戦略的パートナーシップを構築したことも開示した。具体的な取得額は開示していない。
関通は3社が連携することで、「在庫・通関・輸送」を日中双方でつなぐ「日中双方向型の『越境共創物流モデル』を提供する」と説明している。
具体的には、ユーザーは以下のサービスを受けられるという。
項目 |
内容 |
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倉庫前倉庫 |
関通(日本国内倉庫) × 外高橋発展公司(中国保税倉庫) |
輸送機能 |
海上輸送・FCL/LCL・中国国内集荷/日本国内配送 |
通関・貿易支援 |
両国での通関手続きと書類対応を簡素化 |
保税区活用 |
関税納付の延期、加工・転売スキーム対応可能 |
将来展望 |
中国→日本エンドユーザーへのダイレクト配送を段階的に対応予定 |
関通は今回のプラットフォームを起点に据え、中国各地に提携倉庫のネットワークを広げることを想定。中国国内でより広範な集荷対応力・在庫分散・地域最適化を実現していくことを目指す。
加えて、初期対応エリアとしては上海港および青島港をカバーした上で、今後は深圳をはじめとする中国南部、 さらにはベトナム・ミャンマーなどの東南アジア諸国への対応エリア拡大を予定している。欧米方面も顧客ニーズを踏まえて段階的な対応地域の拡張を検討する。
早期に「100コンテナ/月 × 1,000個=10万個」規模の取扱いを計画しており、 顧客ニーズに応じて順次、取扱量および対応地域の拡大を狙う。
「中国→日本国内エンドユーザーへのラストマイル直送モデル」については、2026年度中の正式運用開始を目標に掲げている。
(藤原秀行)