リニアモーター活用した立体ロボット倉庫、検品も人手介さず完了
アパレル大手のビームスは9月9日、東京都江東区塩浜で大和ハウス工業が開発した物流施設「DPL江東深川」で2024年9月に全面稼働を始めた拠点「ビームス ウエアステーション」をメディアに公開した。
同区内の別の拠点から拡張移転し、面積は約9000坪を利用。さらに、世界で初となるリニアモーターを活用した立体ロボット倉庫など、さまざまな自動化機器を投入し、作業の生産性向上を図っているのが特徴だ。
3階の入荷フロアには、スタートアップのCuebusが開発した、リニアモーターによる立体ロボット倉庫「CUEBUS」(キューバス)を世界で初めて設置。タイルと呼ばれるリニアモーター内臓のユニットを床に置き、そのタイル上を移動するトレイが商品を載せて保管エリアまで搬送している。
トレイを2枚同時に協調制御することで、Zラックに商品の衣服を掛けたままタイルで搬送できるようにしている。これまではZラックはサイズや重量などの問題で自動搬送は実現が難しいとの見方が多かったが、CUEBUSを使って克服した。
トレイが床を移動
Zラックに商品を掛けたまま自動搬送できる
トレイに乗って搬送する際、途中の自動検品ゲートを通過すれば商品タグに取り付けているRFIDタグの情報を読み取り、人手を介さず検品を終えることが可能。
また、中国のHAI ROBOTICS(ハイロボティクス)製自律型ケースハンドリングロボット(ACR)を使った入出庫自動化システム「HaiPick SYSTEM」(ハイピックシステム)を6階の保管エリアに導入。約50台以上のACRが動き回り、4.7mのラックに保管している専用コンテナの中から当該の商品が入ったコンテナを自動的に取り出し、コンベアに載せて作業エリアまで搬送する。多品種の商品を効率良く保管できるようにしている。
その先にはソーターシステムを設置、店舗やEC顧客に自動で仕分けしている。
ACRを使った入出庫自動化システム
(藤原秀行)