「物流事業はソフトバンクに吸収」との意見も

「物流事業はソフトバンクに吸収」との意見も

アスクル、昨年11月のヤフー側協議で関係者が表明と指摘

アスクルは7月22日、ヤフーとの資本・業務提携解消に関して岩田彰一郎社長兼CEO(最高経営責任者)らが記者会見した内容を受け、ヤフーが発表したプレスリリースに対する反論を開示した。

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その中で、ソフトバンクやヤフーの幹部らがアスクルの個人向けインターネット通販「LOHACO(ロハコ)」の取り扱いについて協議した際、ソフトバンク側にアスクルの物流を吸収させるとの意見が出ていたと指摘した。この点について、ヤフーは同日夜の時点で公式にはコメントしていない。

アスクルの反論によると、ヤフーからアスクルに派遣されている輿水宏哲取締役を通じた情報として、2018年11月にソフトバンクの宮内謙社長、ヤフーの川邊健太郎社長らヤフーサイドの関係者が協議した結果、アスクルの個人向けインターネット通販「LOHACO(ロハコ)」事業を同社から分社化する方向でアスクルに申し入れる方向を決定。

その際、分社した場合の社長はアスクルの吉岡晃取締役兼COO(最高執行責任者)とする人事案が出たほか、「アスクルの物流事業はソフトバンクに吸収する意見も出た一方、岩田社長による反発や、メーカーをはじめとした取引先が分社後にきちんと付いてくるか、などが課題として協議された」(アスクル)という。その後、今年1月に川邊社長がアスクルを訪れ、岩田社長らにロハコ事業の譲渡の可能性を検討するよう口頭で依頼したと説明している。

アスクルの独立役員会(独立社外取締役)は7月23日午後、東京都内で記者会見し、ヤフーが求めている岩田社長退任について、あらためて意見を表明する予定。

(藤原秀行)

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