保管容量4割増、注文処理能力は30%向上目指す
フランスの新興ロボットメーカーExotec(エグゾテック)の日本法人Exotec Nihon(エグゾテック二ホン)は9月10日、婦人服・紳士服・雑貨などの製造・販売を手掛けるパル(大阪市)、アッカ・インターナショナルの両社と組み、パルが神奈川県平塚市に構えている物流拠点「PAL CLOSET Robotics Solution Center」(PRSC)に2024年導入したエクゾテックの倉庫自動化ソリューション「Skypod(スカイポッド)」を拡張すると発表した。
保管容量を4割程度増やし、注文処理能力は現状から約30%高めることを計画。EC商品の処理能力向上とオペレーションの安定性確保を目指す。
PRSCは稼働開始から約1年が経過し、パルのEC売り上げが急成長する中、延べ1万1000件のオーダーに対応。これまでの物流施設と比較し、物流効率が約140%向上したという。注文から配送までの時間も1~2日程度まで短縮、パルのECサイト「PAL CLOSET」(パルクローゼット)のフルフィルメント効率化と顧客体験の向上に大きく寄与してきたとみている。
Skypodの拡張でさらに処理能力を高め、現場のオペレーションも安定させることで、2028年度にパルの目指すEC売上高1000億円(うちPAL CLOSET単体で500億円)の中長期目標実現を図る。
PRSCの拡張工事は今年10月にスタートし、完了は2026年2月を計画している。Skypodで商品の入出庫を担うロボットを現在の48台から66台へ増強。ピッキング作業をするワークステーション数も5台から8台に増やす。
保管容量は現在の2万5536ビン(専用コンテナ)から3万5616ビンへアップさせる。さらに、ビンインターフェースを導入し、出荷と入荷を完全分離。出荷能力を下げることなく入荷作業を済ませることが可能になると想定している。
非ロボットエリアを再編成し、約1000㎡(約30m×33m)の新エリアを拡張。業務への影響を最小化するため、夜間を含む複数ステップの段階施工を採用する。
(藤原秀行)